はじめに
本屋で「AI法廷の弁護士」というタイトルを見た瞬間、面白そうだと直感で買い読みました。その判断は間違っていなくて、後悔はなかったです。話は裁判官がAIだというタイトルである通りです。ただ主人公がダークで勝つことさえできれば真実は二の次みたいな考え方で面白かったです。
今回は読了後の感想を簡単に述べていきます。
ストーリ
近代日本は訴訟数が多く、裁判の回転率を上げるため裁判官がAIとなります。そんなか被疑者として逮捕された「軒下智紀」は天才弁護士の「機島雄弁」が依頼を受けますが、彼は真実をつかむ方法ではなく裁判官に法廷での登場人物の放った言葉を誤認させてAI裁判官の誤認による勝訴を狙う行為。軒下智紀はそれで釈放されても世間から疑惑を持たれた状態での無罪だし、そう言った曲がった行為が嫌いでした。この事件を二人で協力して解決した後もあらゆるAI法廷を二人のタッグで解決していく話となっています。
構成
裁判ものはよく、現実ではありえない演出があり、そこが受け付けないという気持ちもあるかもしれません。逆転裁判であるような法廷での新しい証拠の提出などは現実にはなく、あらかじめ決められた証拠を決められた通出すだけだというのが有名ですね。ですがこういった要素もAIの高速処理によって許可されているという近未来では現実的にあり得るエンタメの機能しています。
登場人物も個性的です。曲がったことが嫌いな「軒下智紀」、普通の人間ならそうは読み取らんやろ、誤解せんやろというある種のAIのポンコツな部分の隙を突く勝ち方を好む「機島雄弁」のタッグが面白いです。また十本腕で義手開発者の「千手樟葉」は他の人間を二本腕と馬鹿にしており、自分をポストヒューマンとか言っていてヤバいやつでした(笑)。こういった癖のあるキャラが出てくるのも逆転裁判をほうふつとさせました。
4つの裁判が行われる感じですが、最後の裁判ではAI裁判官をめぐる権力者の陰謀に巻き込まれていく展開となっています。こんなのどうやっても勝つこと不可能だと思う展開でしたが、ダークヒーロ的に立ち向かう主人公が印象的でした。
おわりに
今回の作品はSF版逆転裁判みたいな感じです。個性的なキャラ、展開がひっくり返される内容、逆転裁判が好きなら絶対面白いと思える作品となっています。
またAI法廷という近未来では現実的に近い設定が私たちでも感じるAIのポンコツ具合や速攻の証拠提出と現実的なのにエンタメを促進する要素として機能している部分もポイントが高いです。
まとめると
- SFが好きな人
- 法廷の討論が好きな人
- 癖のあるキャラが好きな人
- 逆転裁判のような即興で展開がひっくり返る法廷が好きな人
- ダークヒーロ的な主人公が好きな人
これらには向いていると思います。
興味が湧いた人は是非読んでみてください。
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