はじめに
夏目アラタの結婚は映画化もされた全11巻で完結の漫画です。主人公がひょんなことから発した連続殺人犯の少女への「結婚しよーぜ」という冗談の言葉から、彼女と頻繁に面会をします。そこから始まる駆け引きや恋愛要素、裁判ものとしても面白い内容です。数々のちりばめられた伏線から裁判を覆す驚きの展開へとなるのも本作の魅力です。
今回は読了後の感想を述べていきます。
内容
序盤
児童相談所に勤務する夏目アラタは連続殺人事件の遺児から父親の首のありかを犯人の少女から聞き出してほしいと依頼します。小中学校で落ちこぼれ、犯行時の太ったピエロの外観とは真逆の知能が高く、綺麗な少女品川真珠でした。
面会を続けるため、自分との結婚を冗談で口にします。そこからは殺人容疑者熾烈な駆け引きが始まります。裁判は一審では品川真珠が無抵抗で有罪判決、二審に進んでいます。そこから自分は無罪であると急にしゃべりだすような展開となっていきます。
注目すべき謎
まず品川真珠が一審では喋らず、二審で急に抵抗するように喋りだしたことです。実際に殺人犯かはともかく、一審は一般国民から選ばれる裁判員6人と裁判官3人で構成されるため、グレーラインでは感情に訴える方法で二審よりも一審の方が勝ちやすいと主人公は考えます。
なのに勝負しだしたのは二審から。知能が高い彼女が精神的な理由で話さなかったという言葉やそもそも彼女が無罪であることを主人公自身が信じていません。それなのに彼女がここから出られることを確信していると感じます。主人公がヒロインを間違いなくやっている殺人犯と思っているのも珍しいですね。
他にも彼女は8歳時では周りと比べて極端にIQが低く、現在は高IQです。
なぜ急に知能が上がったのか?という疑問もあります。
また母親の環が彼女を歯医者に行かせなかったこと、高カロリーの食べ物ばかり食べさせていたことも謎です。
まとめると
・不利なはずの二審で勝負しだした理由
・幼少期と現在の知能のギャップ
・歯医者に行かなかったこと
・高カロリーの食べ物を食べさせられていたこと
これらの謎があります。しかも、この謎すべては彼女が仕掛ける後半の急激な展開へつながる伏線となっています。
感想
全体を通してしっかり伏線があり、物語をひっくり返す展開へと繋がっていたのが美しかったです。結末はもちろん彼らの恋愛がどうなるかも注目です。
また登場キャラすべてが印象的で記憶に残りやすかったです。主人公とヒロインは不気味な心理戦や恋愛の駆け引きみたいなところでかなり普通とは違うのとはもちろん、死刑囚アイテムコレクターやヒロインの無実を信じる弁護士、黒の人間は絶対に裁かないといけないという信条を持つ強キャラ感がある裁判官。しっかりと物語を際立たせる人たちで見ていて面白かったです。
おわりに
裁判もの、殺人犯との駆け引きや恋愛要素、ちりばめられた伏線が一気に回収され、ひっくり返される展開、他作品にはない独特な面白さがあります。
興味が湧いたら是非読んでみてください。
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