「いじめるアイツがわるいのか、いじめられた僕が悪いか」の感想

マンガ

はじめに

 タイトルからインパクトがある「いじめるアイツがわるいのか、いじめられた僕が悪いか」という漫画ですが、たまに暗めの話を見たいというときに出会って読みました。全6巻読了後の感想をこれから述べていきますが、ただ陰鬱なだけの漫画ではなく、最初はだれがいじめをして分からないという恐怖から、集団でいじめに発展していくまでを丁寧に書いています。さらにその後で今まで読者が読んでいて腹が立ったキャラが次々と社会的報復で成敗される所まで書いています。
 今回は最後まで読了後の感想をまとめていきます。

内容

導入部分

 主人公は過去にいじめを受けた相沢優一。今は教師になりましたが、担任として受け持つクラスに自信をイジメた主犯格だった鈴木真司の娘である鈴木詩織がいます。序盤の視点は鈴木詩織で書かれている場面が多く、そんな彼女にいじめが始まります。
 最初は教科書がなくなる、体操服が捨てられているという自身への直接的な加害ではなく自身の所有するものを知らぬ間に移動させられるという誰がいじめをしているのかわからない状態からスタートしていきます。しかし、バスケ中に同級生にぶつかったことで、保健室で寝て休んでいる際に誰かが自分を触っている動画をとられて自身あてに送信されるなど悪化していきます。次第に鈴木詩織はクラスの中にいる誰が悪意を持っているのか、疑心暗鬼になっていきます。やがて、クラス全体の雰囲気が彼女に関わろうとしなくなっていきます。

登場人物紹介

 ここで登場人物について紹介していきます。
本当に序盤は登場人物全員が怪しく見える展開です。
そんな怪しすぎる人たちを含めて紹介していきます。

鈴木詩織
相沢優一のクラスの生徒。
いじめられる被害者。相沢優一を含めたクラスの中で誰が自分を主犯的にイジメたか分からずに疑心暗鬼になっていく。

相沢優一
過去に鈴木真司にいじめられた過去を持つ教師。鈴木詩織に対して不審な行動をとっている

米田由美
相沢優一のクラスの生徒。
鈴木詩織の友人。鈴木詩織が捨てられた体操服を発見した際に、彼女も明らかに捨てられた体操服見たが何事もなかったようにその話題に触れなかった

南雲愛
相沢優一のクラスの生徒。
バスケ中に鈴木詩織にぶつかり怪我をさせてしまう

真中
鈴木詩織が不安定になっている時も、彼女に話しかけてきた生徒。
相沢優一が怪しいと鈴木詩織に伝える

矢崎恵理
鈴木真司と不倫中の女教師。詩織のいじめを感知し、相沢優一に対応するよう進言するが
イジメはないと言われて、不信感を持つ。

鈴木真司
鈴木詩織の父。銀行員のエリート。過去に相沢優一をイジメていた主犯
矢崎恵理と不倫関係を持ったり、女遊びをしている。
自分を成功者で人生順風満帆で何でも自分の思い通りに出来ると考えるほどプライドが高い。
イジメはいじめられる方が悪いという考え方。

校長
イジメについては見て見ぬふりをする姿勢。

 こんな感じで怪しすぎる人物と最低すぎる人物が目立ちます。
 

感想

 序盤は誰かの鈴木詩織を陥れようとする明確な悪意は感じますが、誰かわからないという部分は他のいじめがテーマの漫画ではあまりないサスペンス的な展開で始まります。その後は直接的で過激ないじめに発展していきます。
 後半はそんな最低な人物たちが次々と制裁される展開に繋がります。
今まで読んでいてフラストレーションがたまったのが一気に解消される展開でyoutubeでよくあるスカッとする話を漫画化した物や最低な奴らが成敗されるなろう系であるような感じの展開が好きな人は後半部分を楽しめると思います。
 イジメに対しての解決方法として、いじめを無くそう、加害者の更生や復帰という理想論は本当にイジメを知ってしまった被害者からしたら綺麗ごとでしかない。被害者は強力な罰則や抑止力を求めていると強く意識してしまう話で考えさせる内容でした。

 また主人公の相沢優一の心理描写はよく出てくるのですが、肝心の部分が序盤ではわからないです。過去に自分をイジメた娘を陥れようとしているのかイジメは止めないといけないと考えているのかここが全く分からないまま話が進むので、読んでいて不安がどんどん増長していく流れでした。

おわりに

 他のいじめや鬱的な漫画にはあまりない誰がいじめの首謀者が分からないというサスペンスから始まり、徐々にいじめの過激化に進む流れ、すべての腹が立つ登場人物への報復というまとまった流れではありました。
 イジメについて考えさせられる展開と誰が首謀者か、主人公の考えが明確に分からないという部分が読者をドキドキさせます。
 この漫画独特の展開が多く最後まで読んでいて面白かったと感じました。

興味が湧いたら是非読んでみてください。

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