はじめに
今回紹介する高校事変は今まで「万能鑑定士Qシリーズ」や「水鏡推理シリーズ」を書いた人の作品です。今まで読んだ作品が人の死なないミステリーだったので、今回の高校をテロリストに占拠されてたくさん人が殺されたり、主人公の少女も敵にグレーな知識を用いた手段で対抗したりなど真逆の方向ですが、今までの知恵があり面白いという部分が健在だった作品です。
ここから読了後の感想を簡単に述べていきます。ちなみに小説1巻分に関しては漫画版もあります。
ストーリ
高校事変シリーズは凶悪犯として知られた半グレ集団を率いたリーダの娘、「優莉結衣」が主人公です。そんな生い立ちもあり、公安にも監視されるような存在です。そんな自身が通う高校に「矢幡総理」が教育アピールやバトミントンの有望な選手「田代勇次」が在籍しており話題になることを見越して、高校を訪問中にテロリストが襲撃してきます。
優莉結衣はクラスメイトの「濱林澪」がテロリストに襲われた際に学校にある物を組み合わせてテロリストを倒します。それから他クラスメイトやSP、教師と合流しテロリストに対抗し、やがては襲撃の真実も明かされるという内容になっています。
構成
今までの「知恵がつく、人の死なないミステリー」から「人が大勢死ぬ、ハードボイルドアクション」になっていて、生徒やテロリストがかなり死んでしまいます。主人公も今までの明るく誠実な女性ではなく、闘争心があり、過去の犯罪集団との生活で身についた知識で戦っていくというかなり真逆ですが、知識を用いるという点では共通点がある感じです。
学校をテロリストが襲撃みたいなのはどこか妄想的でweb小説的です。さらに将来有望なスポーツ選手や総理、主人公も犯罪集団のリーダの娘と過剰な設定が非現実的な舞台へ拍車をかけていますが、そこを現実的な知識で身近なものを使って対抗したりと面白い内容になっていきます。
おわりに
この1巻でテロリストの学校襲撃の話は終わりを迎えますが、それ以降も主人公が犯罪に巻き込まれて、犯罪集団にいた時の知識で無双するような悪性が続いていくシリーズとなっています。1巻が終わった後も主人公が最初は正当防衛的に戦っていますが、徐々に闘争心が上がり犯罪的な行動に突き進む部分で先が気になる感じになっています。次巻も読んでいきたいと思いました。
まとめると
- テロリストが学校襲撃という非現実的な舞台が好きな人
- 犯罪組織で身についた知識で無双する女子高校生が主人公が無双するなろう系の雰囲気が好きな人
- かなり人が死ぬハードボイルドアクションが好きな人
- 今までの松岡圭祐さんの作品である知恵がつくという部分が好きな人
- 長編シリーズもの(20巻以上ある)が好きな人
これらの人には向いていると思います。
興味が湧いたら是非読んでみてください。
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漫画版もあります。
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