はじめに
アラクニドは虫の能力を扱った人間同士のバトル漫画です。全14巻で完結です。
なんかテラフォーマズを思い浮かべてしまう人も多いかもしれませんが、今作の方が先なので全然パクリとかでもないですね。
これから簡単に感想を述べていきます。
内容
導入
高校生の藤井有栖は母親に先立たれ、引き取った叔父の暴力と学校のいじめに苦しめられています。
そんな中殺し屋の蜘蛛が叔父を殺します。蜘蛛は藤井有栖も自分と同じ先天性集中力過剰 (CEC)を持っており、居場所を失った彼女を殺し屋の組織に招き入れます。殺し屋蜘蛛として修業をして、糸を使った技術を培っていきます。そして恩人である蜘蛛を殺す試練を乗り越えます。
ここまでの導入で主人公が成長していく過程と作品の設定を出す掴みとして面白いと感じました。 内面的に成長していじめにも立ち向か得られるような状態にもなりましたしね。師匠の蜘蛛と対決して能力をを引き継ぐ部分も良かったです。
ですが、ここからどんどん様々な虫の名を持った暗殺者が組織に入ることを拒んだ藤井有栖を殺しにきます。
虫×異能力バトル
極限まで暗殺技能を追い求めた結果、虫の性質こそ合理的な手段としてとらえて、まねた戦いをします。主人公は蜘蛛で糸や糸の先端に牙を付けて攻撃をしたりします。
テラフォーマズの人体改造とは違いほとんどが生まれつきから備わったものや訓練や道具を使う能力が多いです。
戦闘で能力が発動、そこから虫の性質について解説。能力同士の戦闘という一連の流れです。
決め技を繰り出すときは技名と1コマがカッコよく迫力があります。
主人公の生きるためには殺すしかないという考えの部分が人間同士の殺し合いも原始的な生存競争を突き詰めたものだと感じます。この基本的には受け身で戦闘に巻き込まれますが、すぐに思考が切り替わる部分が主人公の強さになっており、魅力的な人物となっています。
戦闘は学園内で起こり、だまし討ちで襲い掛かってくることも多く、新しい登場人物は常に刺客みたいな感じです。そのため緊張感もあり、テンポもいい感じです。
蜘蛛能力のバリエーション
戦闘で糸使いと言えばかなり強いイメージですが、あらかじめ罠を張っておびき寄せるというカウンター的戦法が多いのが特徴。そこに先天性集中力過剰 が組み合わさり、思考を加速させます。
他の登場人物は特殊な名称で一転特化の能力が多いですが、主人公は蜘蛛となっており、多種多様な蜘蛛の能力をすべて使います。そこの部分は少しチート気味ですけどね(笑)。
特徴的な登場人物
登場人物は殺し屋ということもあり、特徴的で変態のような奴が多いです。(偏見かな?)
特に印象的だったものを載せていきます。
ゴキブリ
組織名はゴキブリですが、見た目はかわいらしい女の子です。最初は藤井有栖の敵として登場しますが、組織から藤井有栖側に付き以降味方として登場します。「ですわ」口調でどこか見下したような言い方が多いです。主人公に歪んだ愛情を持った感じで変態的な百合枠みたいな感じです。
ゴキブリということもありしぶとく生き残り、登場します(笑)。
竈午(カマドウマ)
テレビ番組の仮面ライダーのようなヒーローにあこがれて独自の正義感で行動する熱血男。主人公にも組織にも完全に味方というわけではないですが、主人公の誤解が解けてからはほぼ味方に近く、強力な物理のパワーで他者を圧倒します。
兜虫(カブトムシ)
先代蜘蛛から、有栖を守るように依頼された女性。最初からずっと見方で、こちらも圧倒的なパワーで倒す戦闘狂ですね。性格は登場人物の中ではまともで格は落とさずに力強いサポートをしてくれて心強いキャラクターでした。
芋虫(イモムシ)
外伝のキャタピラーで主人公の女性です。藤井有栖が頭を使った策や罠で勝負する感じですが、この人は感覚的に戦う人物です。姉御みたいな雰囲気がありました。後の外伝紹介でもっとふれていきたいと思います。
ディノポネラ
圧倒的な戦闘力で今まで出てきた主人公の味方を蹴散らします。藤井有栖にも似た集中力操作自在 (CDF)を持ち、最初は蜘蛛狩りにゲームバランスを壊す観点から呼ばれなかった人物。異国の紛争地帯で育った少女であり、自分より強い友達を求めて学園に乱入。
藤井有栖との戦いでも最初は優位に立ちます。途中で覚醒し、二人だけの世界の戦闘も強者同士の極地に到達した感じでよかったです。
この作品の中で敵側で一番戦闘描写が多かった気がします。強キャラ感、ラスボス感が際立ってましたね。
蠍(サソリ)
サソリは保健室の美人先生として出てきました。序盤ですぐに死ぬかなと思いましたが、終盤に強者として立ちはだかります。もはや虫であるのか?とも感じますが蜘蛛に近いということもあり、そこら辺の解説から主人公との対峙をドラマチックなものにしてくれました。
おわりに
虫の異能バトルものですが、個人的にテラフォーマーズよりおもしろいと感じました。魅力的な戦闘シーンやキャラが多く出てくる作品です。また伏線があり最後に黒幕が出てきます。ここの見せ方もとてもよかったですし、その黒幕との対決も含めて主人公の成長が描かれた作品だと思います。
ここまで見て興味が出たら是非読んでみてください。
↓

