月で5万年前の死体!「星を継ぐもの」の感想|ジェームズ・P・ホーガン

はじめに

 SF小説が読みたいと思い調べてみたら月に5万年前に死んだと思われる宇宙服を着た死体が発見されるという面白そうな設定がある「星を継ぐもの」を見つけたので読みました。結構ハードなSF小説でしたが、内容が人類の起源にも迫る面白い展開でした。
 今回は読了後の感想を簡単に述べます。

ストーリ

 月面で宇宙服を着た人の姿の死体を発見します。各国の組織の中で月面での行方不明者はいないこと、分析結果から約5万年前に死亡したことが分かります。透過撮影し構造を読み取る機械の開発者であり物理学者の主人公「ヴィクター・ハント」がこの事件に携わります。様々な専門分野の人を集めて事件解明に立ち向かいますが、5万年前に月へ向かえるほどの高度な文明があった形跡は皆無であること、宇宙人だとしてもあまりにも生物学的に人間であることから、この死体がどこから来たものなのか?
 調査が進んでも複数の事象が矛盾している状態で集まっていき真実が分からないまま展開が進みます。

構成

 内容としてはかなりSFハード、死体を調査するにつれて人類の起源の謎についても話が飛んでいき、ただの不思議な姿態だけで終わらなくなあります。ただ中盤まで来ると容易に結末が分かってしまいました。逆に他の学者がそれに築かなかったのが違和感があるくらいでした。ですがそれも丁寧に書かれた調査結果から堅実に過去に起こった事実を調べていく本格ミステリ的要素があったからだと思います。
 生物学、文明学、物理学、数学など様々な視点から死体や持ち物を調べていくうちに出てくるさまざまな証拠ごとの矛盾を学者が話し合い真実を探していく過程が面白く感じました。

おわりに

 5万年前に月面で見つかった死体から人類の起源の謎へも進む展開が面白かったです。

まとめると

  • ハードSFが好きな人
  • 様々な学問知識がある内容が好きな人
  • 本格ミステリーが好きな人
  • 謎の死体から人類の謎へと影響が大きい方へ進んでいく世界観が好きな人

これらには向いていると思います。
 興味が湧いた人は是非読んでみてください。

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