はじめに
今回紹介する「Medium 霊媒探偵城塚翡翠」は霊媒師を自称する城塚翡翠と推理作家の香月史郎が事件を解決していく作品です。この作品は自分でどんでん返しがある話で調べていった時に出てきた作品で、最後まで読んでまさにその通りでした。
第20回本格ミステリ受賞など、ミステリランキング5冠を獲得した価値はある作品です。
今回も簡単に読了後の感想を述べていきたいと思います。
内容
構成
まずこの本は4つの短編で構成されています。
ですが、普通の短編小説と違い最初の3つの話の総まとめが最後の話で出てくる感じです。
最初の話で香月史郎は、大学の後輩の結花の付き添いで美人で霊媒師の城塚翡翠に出会い不思議な力を見せられて、後輩が悩んでいた泣いている女が夢枕に立つという現象を解明するため、翌日彼女の家に行くことになるが、そこで頭から血を流した状態で結花が発見されたりするという始まり方です。
正直最初の3つの話はどれもこれで終わりか、ていう感じでそこではあまり面白いと感じはしなかったです。毎回、霊媒師が犯人やその特徴を冷媒を用いて特定→それを香月が証明するという流れで一応事件は解決している終わり方をします。ですがどれも本当に他のミステリー作品を押しのけて受賞したくらい面白い話だったとは三つ目の話までは感じないです。
すべての話の伏線回収
しかも、この小説会話が多いのですが、主人公の香月と城塚の喋りが読んでいて少し気持ち悪い感じ?(よくあるラブコメより現実的になさそうな会話に歯痒さを感じるみたいな?)がたくさんあってどうしても読みにくいと感じてしまいました。
でもこれらすべて、最終話でひっくり返ります。
最初の3話中である人物の思惑が隠されています。それが一気に回収されて事件の裏に隠された本当の出来事が分かる感じとなっています。主人公とヒロインの喋りがどこか読んでいて気持ち悪く感じた部分もちゃんと理由がある感じとなっていたので総評して面白かったですね。
また、この作品は犯人のトリックがすごいという作品ではなく、あらゆる小さな事象から探偵が犯人の行動を導き出す推理の過程を面白いと感じる作品となっています。
おわりに
短編小説の最後でどんでん返しが起こる構造ですが、どうしても最初の3話が読んでいてつまらないと感じてしまいます。ずっと面白い気分にさせてほしいという人には向いていないですが、最後の話ですべての種明かしが始まり、そこから面白くなるためそこまで頑張って読まないと駄目な感じですね。
まとめると
- 最後にどんでん返しがある作品が好きな方
- 小さな出来事や情報から事件の全貌を導く探偵の推理過程が好きな方
- 美人なヒロインが活躍するミステリーが好きな方
これらの人には向いていると思います。
興味が湧いた人は是非読んでみてください。
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